うたかたの天使たち 第四話(6a)
(ごめんね……)
苑子が言った。
(やっぱり怖いよ……おにいちゃん、ごめんね)
涙声だ。苑子なりに迷ったのだとわかる。
(わたしがもっと大きくなるまで……おにいちゃん、待っててくれる?)
そうまで言われてはなあ……。
しょうがない。
おれはあきらめた。
――和姦を。
だって、そうだろ? ここまでやっておいて途中でやめられるか?
それに、今までもやめるチャンスはあったのに、こうなっちゃったわけだろ? もう取り返しはつかないんだよ。
苑子にもそーゆー男の生理を教えてやらねば、将来こまることになるかもしれないしな。「やめて」と言われてやめる男なんていないんだよ、実際。
おれは無言で苑子のパンツのなかに手を入れた。
「ひゃっ、なに?」
苑子が大声をだしかけたので、その口を手でふさぐ。
やわらかい唇を探って位置を確かめると、おれの唇でふたをする。
舌を差し入れて、かきまわしてやる。
ちょい乱暴めに指を使って、苑子の急所をじかにいじくった。
ちゃんと濡れてる。ぷにぷにしていて、すごく熱くなっている。こりゃあ、途中でやめたら、苑子の身体もかわいそうだ。
「んんーっ、んーっ」
苑子が訴えている。おれに舌を吸われながら、やめて、と言っているらしい。
だめだ。そんなことをしたら、さらにやる気がアップしてしまうではないか。
おれは構わず苑子をいじくり、弄んだ。
苑子の身体から力が抜けてきた。しめしめ、だ。
下着をずりずりとずらしてやる。
けけけけ。
これで苑子の下半身はすっぽんぽんだ。
布団をはねのける。
苑子はまるで解剖されるカエルのようだ。脚を開いてじっとしている。
おれは猛り立ったものを取り出した。もう、一刻の猶予もないくらいに充血している。
苑子の中で爆発させてやりたい。
むろん、苑子は初めてだろう。だが、年齢的に生理はもうあるはずだ。苑子の骨盤の張り出しかたを見ても、第二次性徴はきっちりと発現してきている。つまり、おれを受け入れることは充分可能なはずなのだ。
――などいうことを順序立てて考えられる状態には、おれはいなかった。
苑子に挿入する、そのことしか考えられなくなっていた。
おれは自分自身をつかんで、苑子の股間に先端をあてがった。柔らかい粘膜が亀頭を刺激する。それだけでもイッてしまいそうだ。たぶん、このまま、ぐっと侵入を果たせば、その瞬間に射精してしまうだろう。
も、もう、だめだ。入れる、入れるぞ――
と。
あたりが瞬いた。
青白い光が点滅を繰りかえしながら、勢力を増してくる。
闇を駆逐していく。
――そして。
蛍光燈のひもを引っ張っている一子ちゃんと目が合った。
現在のおれの状況。
えーと。
上半身――黒スウェット
下半身――素っ裸
局部――やる気マンマン
頭部――はちまき&懐中電灯
現在の苑子の状況
上半身――諸肌脱ぎ、おっぱい露出、乳首周辺に唾液付着ならびにキスマーク多数
下半身――素っ裸、大股開き
表情――泣き顔
ここで問題です。
おれは、この場を、どうやって切り抜けたらいいでしょうか?
できたら、三秒以内に回答してください。でないと――
一子ちゃんが金縛りから脱出してしまいます……