◇「とどめ」の続き
人間やってみるもんだ。
「ああっ、ひうっ、ううううっ」
美耶子はもう声をこらえない。けっこう感じているみたいだ。初めてで、しかも年齢のことを考えれば、何千人か何万人かにひとりの逸材なのかもしれん。
おれは美耶子のヒップを両手でつかんで、激しく腰をうちつける。
ちっちゃいあそこはすぐに貫いてしまって、子宮に当たってしまう。この部分の感触は女の子によってほんとうにちがう。きっと、宇多方五姉妹も、それぞれちがう具合なんだろうな。いつか全員味わえる日が来たりして。うひょ。
「美耶子、どうだ? おれのチンチンは気持ちいいだろ?」
「うあっ、ひうっ、きっ、きもちいいよお」
「おしりはだいじょうぶか? まだ、出ないのか」
おしりの穴をもみもみしてやりながら、訊く。もれてくるのは薬液ばかりだ。ティッシュに吸い取られたぶんだけでもかなりの量である。
「あふっ、うう……」
美耶子はヒップを振りたくっている。おしりの穴を触られるのも好きらしい。
「お腹痛っての、ウソだろ? おれに浣腸してくれっていったのも、ほんとうはおれにこんなコトしてほしかったからなんだろ?」
おれは美耶子のおしりをいじくりながら、そう言ってみる。
美耶子が一瞬動きをとめる。
快感にむせびながら、わずかな狼狽を表情にまとわせている。
「知って……た……?」
「途中からな。いくらなんでも挑発しすぎだ」
「ごめ……」
あやまりかける美耶子のヒップをペチンとやる。
「いだっ」
「うそつきな子はおしりペンペンだ。いや、あそこペンペンのほうがいいかな。ほうらっ」
おれは美耶子に罰をあたえるために、さらに深く強く突きはじめた。
「あひぃっ、うっ、うああっ」
「おしおきに、中出しだっ!」
「あっ、ああっ、ゆういちぃぃっ!」
おれは美耶子のなかに思いっきり放ってやった。
「ほんとうに、おめでたいですわ」
「はあ」
「妹をよろしくお願いいたします」
「はあ」
「まだ結婚できる年齢でないことが残念ですけど、美耶子もすぐに大きくなりますわ。あとほんの六年ですし」
「そうですね」
「それまで、遊一さん、ちゃんと待ってくださるっていうし」
「いえそれは」
「もちろん、待っていてくださいますよね」
「――はあ」
宇多方家の奥の座敷で正座しているおれの前には、一子ちゃんがお母さんの形見だという着物を着て端然と座っている。母親になりかわっているのだろう。
そして、おれに抱きつくようにして、満面笑みの美耶子がいる。
浣腸事件のあと、美耶子はただちに一子ちゃんに、おれと「契りをむすんだ」と報告した。「契り」とは子供が使うには古風な言葉だが、こういう表現でしか一子ちゃんは男と女のことを理解できないのだから仕方がない。
「早く大きくなるから、それまで待っててね、遊一」
いたずらっぽく美耶子が笑う。おれは脱力笑いを返す。
宇多方家を乗っ取るどころじゃないな。財宝もへったくれもない。
いっときの欲望に流されて、一生をうしなうのか――
まあ、これも人生かもしれないけれど。