ジャリン戦記(4−2)


7(承前)

 「……はい」

 素直にシータは小さなヒップを高くかかげた。おれをマスターにすることにすっかり同意したようだ。

 すぐ入れるのももったいないので、おれは、シータのすべすべの尻を両手でつかむと、大きく左右に開いた。

 未発達なアソコは濡れて夜目にもきらきら光っている。が、べとべと、というほどの激しい濡れではないようだな。

 アヌスもきれいだ。ま、ホムンクルスも人間どうよう排泄はするはずだが、内臓によぶんな雑菌を飼っていないから、糞便も芳香がするらしい。ホムンクルスの糞を薬だと考えているやつらもいて、そいつらは食うらしいぜ、クソを。まあ、このアヌスについては、今後、いろいろ使わせてもらうことにしよう、けけけ。

 おれは、舌をいそがしく働かせて、シータのあそこに最後の仕上げをほどこした。

 「ん……あ……」

こいつ、我慢強いのか、感度が低いのか、もうひとつのりがよくない。だいたい、おれがクリちゃんからアヌスにかけてまでを念入りにナメナメしてやっているというのに。ふつうなら、よがり狂うところだぜ。

 ま、いい。これからおいおい開発してやるぜ。先は長いしな。

 「さ、入れるぜ」

 「……お願いします」

 なんか、頼まれてもなあ。ま、いいや。

 入り口にあてがう。

 ぐいっ。

 「あっ」

 さすがに恐怖があるのか、シータの身体が逃げる。

 むろん、処女破りについても経験を積んでいるおれさまだから、こういう時の対処もよく知っている。すなわち。

 おさえつけて、ヤっちまうんだよっ!

 「うあっ、いたっ、いたいっ!」

 「るせっ、このアマ、おとなしくしろっ!」

 「いや、いやいや、ああうっ!」

 「げはは、逃げられるもんなら逃げてみろ、ほうら、もう半分入ってるぜ」

 「ああっ、おとうさん……」

 ホムンクルスは精液起源だから父親しかいない。かならずしもロッシュのことを慕っているわけでもないだろう。おかあさん、と呼びようがないのだ。考えようによっては不憫な話だ。

 シータのあそこに、おれのモノが食い入っていく。

 さすがに最初はキツいぜ。さすが、ヴェスパーホムンクルス、ホンモノの処女よりも処女らしい。適度な狭隘感、濡れも不足しているし、シータは痛みに身もだえしている。苦痛をこらえているためか、アヌスがきゅっと締まっているのもリアルな感じだ。

 おれのブツの先端がシータの処女膜を引き裂いていく。

 「うあ……ああ……あ……」

 うめいているシータは、快感を感じるどころではなさそうだ。

 赤いものが結合部からにじんでいるが、気にするな。最初のうちは痛いもんだ。男だってそうだろ? まあ、程度差はあるが。

 「ひいっ……うああっ」

 ――ぜんぶ入った。

 おかげさまで、長さも人並み以上のおれさまだから、先端はむろん子宮にまで届いている。おれさまの得意技、子宮の壁つつきによって昇天した女の数はちょっと数えきれないほどだぜ。

 「はあ、はあ、はあ……」

 シータはあえいでいる。いまは苦痛に耐えている声だが、これがいまに気持ちよさを弾けさせる声になるんだから、女はかわいい。

 おれは、シータの体内の感触を楽しんだ。

 うーん。美味。さすがはヴェスパー・ホムンクルス。膣圧も内部の感触も、ちゃんとつぼをおさえておるねえ。

 気持ちいいから、うごこーっと。

 ぱんぱんぱん。

 と、腰を使いはじめて、一分もたたないうちに。

 「きっさまぁー! ジャリーン!」

 ドスのきいた声がひびいた。

 腰を使いながら、ふと横を見ると、戸口のところに、ロッシュのおっさんが猟銃を持って仁王立ちしている。なんか、怒り狂っているみたいだ。

 「よお、ロッシュ。おじゃましてるぜ」

 おれは激しく腰を叩きつけながら、ロッシュに声をかけた。

 「あっ、あっ……」

 シータがシーツに顔を押しつけ、ちいさくあえいでいる。

 「シータ……シータ……おおーっ」

 ロッシュがありもしない髪の毛をかきむしる。

 苦悩する父親って感じだな。ガラじゃないけど。

 おれは、ロッシュに、娘の成長したところをよく見せてあげようと、体位をかえた。

 座った膝のうえにシータを抱きかかえ、脚をおおきくひらかせて、おれのモノが出入りしているところをよく見えるようにしてやったのだ。大サービスだぜ。

 こうすれば、おっぱいも揉めるしな。

 「きさま、ジャリン……おれからシータを奪うつもりか……」

 「娘はいつか父親のもとを去るもんだぜ。ましてや、シータはおまえのほんとうの娘じゃない」

 「ゆるさんぞ……ジャリン」

 ロッシュの双眸が恨みに燃えている。

 「うそだな、ロッシュ。おまえは自分ではシータを旅にだすことができなかった。娘のことを思い出してしまうからな。だから、だれかが奪い去ってくれることを期待していたんだ」

 「な……なんだと……」

 「自分では気づいていなかったのか? たしかに鍵もトラップも念入りに施されていたが、ほんとうに侵入者を阻むつもりなら、それ相応のやり方があったはずだ。だが、まるで、侵入者のやる気をそそるような罠の配置。それを破ることができるやつになら、シータを持っていかれても納得できる……というわけだろ?」

 おれは、シータの腰を掴んで、上下に揺さぶりながら、自分のモノへの刺激を高めていった。

 ロッシュの肩が落ちた。猟銃の筒先もだ。

 「……かも、しれん。だが、この扉の鍵は特別製のものだ。なみの方法では開かないはずなのに……」

 「おれは天才だからなあ」

 会話しながら、女とやるというのも、なかなか神経を使うよなあ。

 おれは、シータを寝かせて、膝を立てさせると、最後のフィニッシュに入る。

 「あっ、あっ、マスター……」

 ここに来て、ようやく効いてきたのか、シータの息が荒くなった。

 まあ、いい。本格的にいかせるのは今度にしよう。

 「あっ、あっ、あうっ……」

 シータがちいさく痙攣する。

 おれは、思いっきり、精を放った。むろん、中にだ。ホムンクルスは中出しが鉄則だぜ。

 どくうっどくうっとおれの子種が吐き出されていく。くううっ気持ちいいっ。やっぱり女の中に出す感覚が最高だ。女を養う力がある男だけが味わえる快感だ。女に「抱かせていただいている」男は、外に出せ、外に。

 「ふうーっ」

 おれは息をはいた。

 シータの身体が震えている。

 と、全身が青白く光る。

 「へえ」

 おれもはじめて見た。

 ホムンクルスの第二の生誕だ。

 新たな精液を受けて、再びこの世に誕生しなおすのだ。

 そして、おれにのみ忠誠を誓う存在になる。

 ぱちりとシータが目を見開いた。

 今までとは雰囲気が違っている。ちょっとおとなっぽい感じだ。

 「マスター……」

 シータはおれにしなだれかかり、おれの股間に舌をはわせた。

 おっ、いいね。躾がいきとどいているぜ。

 舌でおれのモノをきれいにねぶりはじめる。うまそうに精液の残りを舐めとっている。

 その表情を、ロッシュはいたましげに見つめていた。なんか目尻が光っているようでさえある。

 「……こうなってはしかたない。ジャリン、シータはおまえに売ってやる」

 吐き出すようにロッシュは言った。

 「ふつう、こういう場合、『くれてやる』といわねーかい?」

 「いいや」

 あっさりとロッシュは首を横にふりやがった。もう商売人の顔にもどっていやがる。

 ――というわけで、おれのパーティの一人目はホムンクルスのシータと決まったのだった。

"THE DOLL":THE END


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