*

 *

 その、ころ。

 真奈は三人のカエル人間のおもちゃにされていた。

 よっぽど乳房がめずらしかったのか、三人がかわりばんこに、もみしだき、乳首をなめまわした。

 真奈としては身をよじって悲鳴をあげるしかないが、カエル人間たちにはその反応がおもしろいらしく、さらにいじられる。

 そうこうしているうちに、真奈もぐったりとし、血の巡りだけが活発になるという状態になってしまった。

「はあ……はあ、はあ」

 真奈は身体の力をぬいていた。

 嫌悪はむろんある。が、ねとねとしたカエル人間の指と舌の感触は異常に心地よかった。

 なぜなのか、自分でもわからない。

 かつて、このようなおぞましいバケモノに凌辱された夢を見たような気がする。

 ゴキブリのような、軟体動物のような、ヌメヌメの嫌らしい生物によって、全身をまさぐられ、何度も絶頂を迎えさせられたような記憶が身体にのこっている。

 その記憶は、真奈の深層心理にわだかまっていた、のかもしれない。

 それが欝積して、真奈の性欲をいびつに育てていたのかもしれない。

 真実はだれにもわからない。

 ただ、真奈は感じていた。吐き気を催しながら、快感をえていた。それは事実だった。

 カエル人間たちは執拗に真奈の乳房をもてあそんだ。

 脇の下をくすぐり、あばらのあたりをなで、腹部をさわった。

 ああ、と真奈は思う。

 ――てほしい。

「どうした、バァド?」

「さっきから、腰をふってるぞ、ワーイ」

「肢のあいだをさわってほしいのか、ザー」

 真奈は顔を真っ赤にして首を横にふった。でも、その部分は、すごいことになっている。

 カエル人間の手がのびる。水掻きのある手が、真奈の秘部にふれた。

「ふあっ!」

 腰がはねる。脚はとじられない。カエルの指が、動いている。

「ぬるぬるだ、バード」

「やっぱり、ここから卵をうむんだ、ワーイ」

「だが、アナはふたつあるぞ、ザー」

 カエル人間たちは合議をはじめた。

「やっぱり、このアナをちゃんとしらべよう」

 ザーがのぞきこむ。

「このアナ、ビラビラにかこまれていておもしろいな」

「い、いや……」

 真奈は喉がふさがった。カエル人間の手で、股間がひらかれている。恥ずかしい肉のあわせめが、おぞましい生物の手によって、全開にさせられる。

 クリトリスも、膣口も、さらされてしまっている。

「奥を、しらべて、みろ」

「指、とどかない」

「ならば、舌を、つかえ」

「そう、しよう」

 ザーが、真奈の膣の入り口に舌を当てた。

 舌が、のびる。

「うあっ……あああっ!」

 細い、しかし、ねとねとした物体が、真奈の身体のなかにうちこまれる。

 それは思いのほか内部で硬くなり、そしてまた柔らかくなったかと思うと、真奈の内部へと侵入をすすめる。

「おお、おくが、ふくろに、なっている」

 舌をのばしながらも、ザーは器用にしゃべった。

 真奈の中で、にゅちゃにゅちゃするものがはいまわっている。子宮の内側をなめられているのだ。

「ひだが、たくさんある、な。ざらざら、している」

「そこから、卵を産む、のか?」

「かも、しれん。だが、フンのにおいはしない」

「それは、へんだ」

 カエルには産卵も排泄も同じ穴からするのだ。つまり。

「おお、こっちだ」

 もう一匹のカエル人間ワーイが、真奈の後ろにまわって言った。

 舌を、真奈のおしりの穴の周囲で動かしている。

「フンの、においがする。このアナだ」

 ワーイの舌が、侵入してくる。

 おしりの中にだ。

 一方で、性器に入った舌もせわしなく動いている。

 真奈は背筋をそらす。電撃的な感覚が絶え間なく全身を襲っている。

「ひっ……ひいいっ」

「おう、なんだか、汁がいっぱいでてきたぞ」

 真奈の性器を探っていたザーが言った。

「やはり、こっちのアナかもしれん。人間は、かわっているからな」

「ならば、両方のアナにおれたちの輸精管を入れてしまえば、まちがいない」

「では、さっそく、しよう」

 バドが言った。股間から、赤い粘膜でおおわれた組織が勃起している。人間のペニスとやや似ているが。もっと毒々しい血の色だ。長さは三十センチくらい。直径五センチはある。

 真奈の背筋に戦慄がはしる。

「いや……いや……やめて……」

 頭のなかがくらくらする。あんな大きなものが入ってきたら、どうなってしまうのだろう。

「腰がくねくね動いているぞ」

「ほんとうは入れてほしいんだ」

「たっぷり、精液を注ぎ込まれたいんだ」

 真奈の腰は意志に反してゆっくり上下に動いていた。まるで挿入を待ち受けるかのようにだ。

「ちがう、ちがうう!」

 真奈は叫んだ。こんなのあんまりだ。悪い夢だ。たしかにエッチな想像はしたけど、そんな目にあわされるほど悪いことをしてはいない――はずだ。

「ちがわない、バァド」

 バドが真奈の腰をかかえる。

 股間の粘膜どうしをこすりあわせはじめる。

 鋭い快感が真奈の意識を灼いた。

「くはっ、あっ!」

「ぬるぬるで、気持ちいい、バァド」

 カエル人間の生殖器の先端が真奈の入り口を探っている。粘膜同士がじかに触れあっている。くちゅくちゅ音がしている。

「入る……入る……バァァァド」

 戦慄が耳の後ろを駆けぬけ、背筋が震える。真奈は絶叫した。意識が灼熱する。

 そのとき、真奈は自分のなかから二種類の声がわきおこってくるのを感じた。

 ――もっ、もうガマンできないっ、入れて、入れてええっ!

 そして、もうひとつは

 ――太助ちゃん、たすけて……!

 どちらの声に従うかは、真奈の心しだいだ。