この世の果てで恋を唄う少女 YU-NO 全4巻

ピンクパイナップル 2000年

 主人公たくやは、義母の亜由美さん(若い! 可愛い!)と二人暮らし。たくやは亜由美さんが好きなのだが、同級生の澪や謎の美少女・神奈、年上の美女・美月などにも囲まれてウハウハな毎日――というわけではなくて、時空の歪みに取りこまれて、数奇な運命をたどる、というお話。エルフの同名ゲームのアニメ化作品です。

 ゲームの方は、パラレルワールドを行き来しながら複雑な謎を解き明かしていくという独創的なシステムを売りにしてました。けっこー有名な作品です。セガサターンにも移植されたりしましたね。うづきもプレイしたことあるんですが、うづきは完全に亜由美さん至上主義者なもので、異世界篇はノータッチです。ええ、神帝なんか知ったことかよ、です。亜由美さんとラブラブであればそれでいーのです。

 さて、アニメの方もゲームを踏襲して、お話がアッチコッチに飛びます。ゲームの場合は試行錯誤しながら自分でルートを選んでいけるんですが、アニメは完全に受け身なので、非常にわかりにくい。というか、エロアニメであまり凝った話をやってはイケマセン。しかも、人物の関係がゲームとはえらく違うし。まあ、本来、パラレル・ワールドのお話なので、それもアリなのかもしれないんですけどね。

 でも、なんつーか、巻を追うごとに作画が悲惨になっていくというのはどーゆーことなのか。

 想像するに、1巻、2巻の売れ行きがよくなくて、以降の予算が厳しくなっちまったんじゃないのかな、と。最終巻などはひどいもんです。たぶん、海外に外注に出して、日本側で修正しないままにフィルムにしちゃったんでしょう。勝手な推測ですが。

 それはなぜかというと、やっぱり、1巻のエロが薄いってとこに尽きるんではないかと。なんか、ほとんどエッチなシーンがないです。パンツとか裸はたくさん出るんですが。たぶん、複雑なストーリーを理解させるために、人物関係の説明に時間を割きすぎたんであろうと。

 でも、これだと、2巻以降、「見てみよう」とか「買わねば」という気が薄れてしまうと思います。

 エロは2巻、3巻と濃くなっていくんですが、遅きに失したというか、4巻は作画ボロボロ、しかも、ストーリーに決着をつけるために説明に時間をとられて、ここでもエロがありません。

 実に悲惨なシリーズと言えるでしょう。ゲームが名作と呼ばれているだけに、そのギャップがすさまじいです。

 それにもかかわらず、この作品を取りあげたのには理由があります。

 それは……

 2巻で、亜由美さんのエロシーンがあるんですようっ!

 豊臣にズコバコ犯されちゃってるんですよう! あ、豊臣ってのは、亜由美さんを狙っているキザで嫌みな男です。ゲームでも、亜由美さんの弱みにつけこんでエッチなことをしやがりました。

 ゲームでは止め絵(当たり前)で、はっきり挿入されているシーンはなかったりしたので、アニメで駅弁でヤラれているのを見て、かなーり脳が沸騰しました。

 でも……でも……時間が短すぎるようっ! 2巻の後半は、もう亜由美さんのエロシーンだけにしてほしかった、というか、そうすべきだ! しろ!

 むろん、当方は亜由美さん萌えなので、豊臣なんかに落とされてほしくはないわけです。しかし、豊臣に対する憎しみがスパークするくらいに、徹底的にヤッてほしかったなあと思ったりするのでした。ああ、人間の心ってふしぎ。

シリーズ寸評
第1幕 「誘惑する事象たち」 
作画はきれい。でもエロくない。
第2幕 「不連続体のコンチェルト」 
亜由美さんに尽きる! でも時間が短い。ショボン……
第3幕 「分岐点のシンデレラ」 
輪姦シーンあり。エロは一番濃い。ヒロイン・ユーノが犯される手前でフェードアウトは残念すぎ!
第4幕 「世界の果てで女神は唄う」 
作画最悪。エロくもない。ついでにお話もグチャグチャに……ダメだこりゃ。

2002/10/14