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作者 はやみねかおる/イラスト やまさきもへじ |
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講談社ノベルス |
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ミステリブームは、マンガの世界に波及して、金田一少年やコナンくんを生み出してきました。 マンガでミステリのおもしろさを知った子供たちが、はたして小説本をスンナリ手にとってくれるかどーかはわかりません。子供が読んでもわかりやすくておもしろいミステリ、というのはなかなかないのが現状かもしれません。 と、そこで登場するのが「虹北恭介の冒険」です。 名探偵は虹北堂(こうほくどう)という古本屋の若主人、虹北恭介くん。まだ小学校五年生ですが、学校には行っていません。彼は、子供のころからものすごい読書家で、そのへんのオトナでも太刀打ちできないほどの知識量と聡明さを持っています。 両親がいない恭介はおじいさんと二人暮らしですが、このおじいさんは全国にめずらしい本を求めて旅行ばかりしているので、ほとんど店番は恭介くんがすることになっています。本人もそれをちっとも苦痛には思っていないようすで、ひがな一日本を読みながら過ごしています。 物語の語り手、野村響子ちゃんは、ちょっとたれめかげんのごくふつうの容貌の女の子(本人の弁)。恭介のクラスメートで、虹北商店街の振興会会長の娘さん。明るくて元気いっぱい。 虹北商店街はゆりかごから墓場まで、なんでも揃う商店街だけど、最近は不況のため客足がとおのいている。そこで、熱血ケーキ職人である響子ちゃんのおとーさんが商店街振興のために、いろいろアイディアを出しては失敗をすることをくりかえしているのだ。(へんなプロモーションビデオを作ったりとか、ね。) 響子ちゃんも、このおとーさんに命じられて、いろいろなことを手伝わされたりするようだが、グレたりはしていないよーだ。 で、商店街におこるさまざまな不思議な事件を、たちどころに解決してしまうのが、「魔術師(マジシャン)」の異名を持つ虹北恭介くんであり、その助手とゆーかなんとゆーかが響子ちゃんなわけだ。 この小説では、殺人とか物盗りといったぶっそうな事件は起こらない。商店街に住む人々の心のなかにある葛藤や悩みがもとで起こったささいだけれども不可思議な事件ばかりだ。 そういう意味では、そんなにものすごい大トリックがあるわけでもなく、他愛ないといってしまえばそれまで、といった事件もなくはない。 のだけれども、事件のたびに(事件がなくとも)一緒に行動する恭介くんと響子ちゃんは、かならずデートをしているとまちがえられるわ、ほっぺにチュッだわ、なんかほんわかして、すごく優しい気分になれるのれーす。 恭介くんはロンゲで色白、目は細い。響子ちゃんにちょっとせまられるとすぐに耳まで真っ赤になる。長いマントがトレードマーク。 響子ちゃんは最初はちょい短めのセミロングだけど、作中でショートカットになります。右はちょい長いとき。ランドセルがそそる〜、です。(バカ) イラストのやまざきもへじさんの絵がたいへんかわいーので、その手の絵柄が好きな人ならわりとすぐにハマってしまうでしょう。口絵のほか、随所に挿絵があり、巻末には4コママンガも載ってます。 ミステリにあまり興味がない人でもすんなり入っていけるナイスな作品だと思います。 ヘビーなミステリファンには食い足りないかもしれませんが、キャラがかわいいので、そっち方面でよろしく。 うづき的には、おすすめしますです。 |
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