機動戦艦ナデシコ
バーチャルフィギュア大作戦2
電子の妖精を補完せよ!

あとがき

「バーチャルフィギュア大作戦2」を最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

 この作品は、実は映画版ナデシコをDVDで見て、すぐに書きはじめて、七割くらいできたところで放置しておいたものです。それをつい先日ハードディスクからサルベージしてきて、加筆して完成させました。

 もともとうづきはテレビシリーズのころは明確に「ユリカ派」でして、巷ではルリのほうが人気があることに「なんだかなー」と思っていたのですが、すみません、映画版ですっかり転びました。ルリ最高です。

 いやー、ほんとうに映画版の出来はいいですね。テレビ版からの時間の経過のなかで、それぞれのキャラクターがどんな生活を送ってきて、どんなふうに変わっていって、それでも変わらない部分や譲れない部分というものがあって、それでいて、後半にむけてみんなが集まってくる感じとか、すごく好きです。

 ルリってテレビ版ではやっぱりマスコットキャラに過ぎなくて、たしかにウケはとれたんだろうけど、うづき的にはあまり魅力を感じなかったのです。その点、映画版では、人間的に成長していることが伝わってきたし、それがセリフとかによる説明じゃなくて、きちんと納得できるかたちで描写されていたところに感心しました。あれだけウケた「バカばっか」を使わずにルリを描ききった佐藤監督にはほんとうに敬服しちゃいます。

 あれ? 小説のあとがきじゃないよーな気が。ま、いいか。

 そんな感じですっかりルリ萌えなうづきですが、「バーチャルフィギュア大作戦2」でたいへん迷ったのが、オチです。

 前作ではバーチャルフィギュアだと思ってヤっていたユリカが実はホンモノで、という趣向だったわけですが、今回は、その逆のパターン――ホンモノだと思ってヤったらニセモノだった、という感じでもともと考えていました。でも、加筆しているうちに、「ホログラムとヤってもしょうがないよなあ」と思い直して変更しました。

 結果として、ルリの情動とかが原作からちょっと乖離してしまったのが残念なのですが、カンベンしてください。

 あと、ラストがちょっとわかりにくいかもしれませんね。

 『あの人』が誰を指すのかは、たぶんおわかりでしょうが、そいつと、ルリとの間に、どんなことがあって、それがバーチャルフィギュアにどう関係するのか、については、DCで発売予定の「バーチャルフィギュア大作戦DC 空白の3年半」をプレイすることでハッキリします、というのはむろんウソです。

 すみませんでした。今度はもうちょっとマシなものが書けるように精進したいと思います。